【活動報告】第1回桜沢如一研究発表大会

10月17日(日)に、日本CI協会セミナールームにて、生誕記念祭「第1回桜沢如一研究発表大会」を開催しました。

告知期間が一ヶ月弱だったにも関わらず、会場参加者、ZOOM参加者、アーカイブ視聴希望者で、100名に迫るお申込みがあり、多くの方に関心をいただいたことに、誠に感謝致します。

初の試みだったためシステム的なトラブルは若干ありましたが、内容的にはそれぞれの発表者の個性が際立ち、それでいて全体的なまとまりもあり、形式的にもかなり学会的な雰囲気でプログラムを進めることができました。

■高桑智雄室長による「桜沢如一の無双原理の成立過程」

研究発表のトップバッターは、桜沢如一資料室の高桑智雄室長による「桜沢如一の無双原理の成立過程」というテーマで、先行研究により定説化している、桜沢の「石塚式食養法の開始時期」と「無双原理の確立時期」についての最新研究による検証が行われました。

■アメリカの大学院生による桜沢思想の研究

アメリカのカリフォルニアからZOOMで発表を行ったのが、カリフォルニア州立大学サンディエゴ校大学院博士後期課程で桜沢思想の研究をするデュラン・オブライエンさん。

オブライエンさんは、西洋思想における「判断力」と桜沢思想における「判断力」の違いについて、構造的に論じてくれました。西洋の判断力は常に人間社会の内側で決まるものであるが、桜沢の判断力は、人間の外側から来る、つまり宇宙や自然から気づかされるものという、とても大切な論点に導いてくれました。

会場やZOOM視聴者からも、たくさん質問がありました。

■批判的桜沢思想研究の第一人者、安藤耀顔さん

安藤さんは世界的な桜沢資料の収集家にして、東西の哲学や宗教に明るく、批判的に桜沢思想を捉えることができる稀有な研究者です。今回は、様々な資料を見せながら、「食養人生読本」の」第七課の意義を探り、親鸞思想の現世的・現代的継承こそが、桜沢の食養道の真髄であると論じました。

■元MI生の斎藤武次さんの研究の集大成

研究発表の最後は、元MI生であり国内有数の桜沢資料収集家でもある斎藤武次さんが、現在執筆中の「マクロビオティックの世界観」第3巻の舞台である、桜沢の60歳以降の世界無銭武者旅行の研究視点を論じてくれました。

高桑室長の桜沢の初期の渡欧の状況から、最後は晩年の世界での活躍まで、ちょうどまとまりのよい締めとなりました。

■研究会レポートと資料室の活動報告

七林秀郷さん主宰の「桜沢如一研究会」で、2021年8月から各月で開催している「桜沢如一を読み解く会」でナビゲーターを務めている永井邑なかさんに、全7回のテーマと参加者の感想などの研究会開催の意義などを語っていただきました。

そして発表の最後は、資料室ボランティアの村井友子さん、桑山一美さんから整理活動の報告と今後の課題をプレゼンしてくれました。

■正食協会からの資料の贈呈

今回特別ゲストとして、正食協会の岡田恒周事務局長が資料室にも所蔵のない貴重な資料である「少年少女 健康学園」の桜沢サイン入り本の贈呈式が行われ、岡田事務局長のご挨拶とともに勝又初枝代表に本が手渡されました。

今回、準備もままならないままの第1回の開催でしたが、みなさんのご協力によりとても有意義な大会となりました。

来年は、この経験を元にバージョンアップした第2回を開催して行きたいと思いますので、何卒よろしくお願いします。

レポート
桜沢資料室 高桑智雄

Top