NOIR et BLANC NO.380

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医療を超えて ―あなたを癒す全ての方法― 380
オーサワの治療法が西洋の医者を変えた
記者:ジャン・パレスール

健康によって、人間に幸福と与える、無双原理の有利を説くための世界武者旅行のはじめ頃、日本人であるオーサワは彼の目的をこう定めた(注1)。

───私が西洋に来たのは、無双原理の弁証法的実践とその医学的、社会的応用以外の何ものでもない極東の哲学を根本まで理解し、教える事のできる幾人かの西洋人、それぞれの国で10人程度を見つけるためです。

そのささやかな野心は大きく超えられた、今日、オーサワの方法論の実践者は≪センセイ≫の訪れた多数の国に何千とおよび、また、至る所で彼ら自身がその証人となり、治癒の事実を見て転向した医者たちは、医学部で学んだ対症療法的な治療法をあきらめ、マクロビオティックの食養法に賛同し、≪病人が自分自身の医者となるよう≫努力している。

我々の國では───誰も驚くことはないであろうが───その≪改宗≫はまだ例外である。それでも様々な出版物により具体化してはいたが、強大な正教会は当然それらを沈黙のヴェールで隠蔽したのである。それでは、どうして以下のようなテキストが普及することが許されたのであろうか?

≪P医師が証言する。病気や健康や食事に関して私がもっとも正しいと思える知識を得たのはオーサワ先生からです、そして、その事にはいつも大変感謝しています。注目に値するような何らかの方針や教えをとどめないで、彼の講演を聴かなかった事はありません。私や病人に対して行われた観察はそのマクロビオティックの食養法と基にある原理の大きな利点を確信させるものでした。≫

その医者は、その上食養法に対する一般的な異論は科学的かつ客観的で根拠のある検討に耐えない、と説明する。彼は特に、動物性タンパク質(植物性タンパク質は十分に代用品になる)の不足、様々なビタミン(穀物のふすまからや日常的にとられるパセリから供給される)の不足がないこと、そして飲み物の制限が腎臓を≪疲れさせる≫ことはない、と明言する。それは、ドイツでの経験が議論の余地のない証明となった。

B医師は≪アレルギーの分野において体質の修正の問題解決に積極的な貢献≫を見込めるとして、彼の同僚らに≪興味を持たせるに違いない≫であろう一つの所見を引き合いに出す。ある自動車事故の約1ヶ月後に、犠牲者となった30歳の女性は、事故車の奥で数日前に見つかった右上側の切歯を再移植するようB医師に要請する。その患者は重体で(24の深い傷が顔面と頭皮にあり、胸郭と膝を打撲していた)それ以前に苦しんでいた様々な問題(頭痛、不十分な視力、循環障害、慢性的な便秘、肝機能不全、不眠症、風邪、頻繁な流感、そして、どんな化粧品でもつけた後に、顔中と首に即座にある種のじんましんの発生をひきおこす多発性の皮膚アレルギー)を悪化させた。

このあまり好ましくはない条件にもかかわらず、B医師は再移植を試みる、そしてその成功率を高めるために患者にオーサワの食養法に従って体質を修正するよう勧める。なぜなら≪主な感染には丈夫な先天性免疫を発達させることがもっとも適している≫ように思えたからである。3ヶ月後の診断は以下の様なものである:切歯の再移植は冠をかぶせることで成功をおさめ、身体の傷跡はほとんど見えないほどになり、様々な消化器系の問題は消え、頭痛も不眠もなくなり、体循環も正常で、眼鏡は必要なくなり、冬を風邪なしで過ごし、なにより、皮膚アレルギーの症状は完全に消えた。:そしてそれは、B医師が強調するように≪食事というもっとも自然な方法によるものであり≫、そこにオーサワの食養法への評価がある。:≪個々で得られた結果の多様性と質の高さが十分にその有効性を示し、専門化の習慣や偏見から解放された総合的医療の治療法の武器のような価値を示している。≫

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マクロビオティックによる治療の全ての事例がこれほど詳細な観察の対象にはならなかったが、それでも説得力のある証言者リストを構成し、それは熟考に値する。全てを列挙することは不可能である:ただ、私に言えるのは、≪宇宙の秩序を冒?し≫ているために、我々が被害者となりうるほとんど全ての疾患を含むであろうということなのであり、『東洋医学の哲学(注2)』の中からいくつかの例を引用する:
≪わたしはいわゆる≪精神薄弱児≫または≪白痴≫とよばれるかわいそうな子供達に何度も私の食養法をためしました。我々は多くの回復や驚くべき発達までもを認めました。生理学は心理学の根本的なものであり、食養法によって精神病を治す事はごく自然のことに思われました。
≪その無双原理によると心臓病の完全な治癒はとても簡単です。病気の長さには関係なく、数週間で治す事ができます・・・
≪ポリオの予防や治療はわれわれの医学によると単純かつ簡単であります。最近のものであれば2週間で、もしそれが数年の場合は2、3ヶ月で治す事ができます・・・
≪糖尿病もわたしの食養法にしたがえば、数週間(おおむね2、3週間)で全く問題なく治療できます。かぼちゃとあすぎと長ネギが特別食です。≫

オーサワは、ゼンソク、蛋白尿症、てんかん、前立腺炎、ハンセン病などにもほぼ同様のやり方をもちいた。彼の方法では記憶力も回復させ、老化もおさえるこどができると強調する、なぜなら彼が勧める食物は我々の身体を完全に変換するからである。

───ー質の悪い血液が原因の全ての病気は、10日間のうちに治すことができます、あなた方は食事をとりながら10分の1の血液を毎日入れ換えているのです。そして全ての臓器の病気はやその機能は最長でも2、3ヶ月で治す事ができます、なぜなら全ての細胞はその間に完全に変わるからです。

公式の医学が≪センセイ≫によって試みられた行動に心を動かされるまでには、随分待たなければならなかった。オーサワの治療法が非難されることもあったし、彼に対する苦情の種は他にもあった。生命の深遠な構造(メカニズム)を知らないで生命を回復すると主張する医者を≪使い古され、変形していたり、破れたりした全ての靴を修理するといい張る無知で不器用な靴の修理屋≫と彼は比較しなかったであろうか?また、彼はこのように名言しなかったか?:≪もしあなたが自分で自分自身を治す事ができなければ、恥です、それはつまり、あなたが動物全てにあたえられたように、人間に与えられた無限の自由を忘れたということです。人間以外の動物で以下のような名前の持つものに依存してるものはいない:医者、看護婦、薬剤師、祈祷師、心霊論者。≫

彼は確かにこう繰り返していた:≪私は治療をしません、また診断も、ましてや治癒など:あなた自身が治すのです。わたしはただ60年の間に学んだ全ての秘密をあなたがたに与えるだけです≫、ドイツとフランスで面倒な事にまきこまれ、彼は不法に医療業務を行ったとして追訴された。

しかし、彼は16区のセーヌ大審裁判所軽罪部において無条件にあっさりと釈放された。その判決の理由において、オーサワの構想の中では≪医療は哲学の一つの分野にすぎず、それに栄養学を結びつけたもので、それらの表現に西洋のそれにあたる意味を割り当てる事ができない、と強調している。≫

≪さらに、その食養法に関心をもち、極東の寄与によってその分野での知識を深めようとしている幾人かのパリの医者はオーサワと交流にはいり、彼らの研究所や連合の中心で一緒に仕事をし、彼に意見や助言を求めた。その事実は違法な医療行為ということはできないだろう。確かに、法の罰を受ける立場にいないオーサワやその教えや文書、をとがめることはできないであろう・・・≫

だからといって、まぎれもないこの屈辱は≪公式な医者らの≫感情を和らげる事はなかった。彼らはオーサワの方法論を軽視、攻撃し続けたが、彼の食養法は新たな賛同者をを集め続ける。なぜなら事実、つまりその治癒が≪センセイ≫の二つの教えに含まれる真実を毎日証明するからである。

1.≪病気は宇宙の秩序を冒?していることの証明である。個人は病気の創造者であり、被害者である、そして同時に幸福の創造者でもある。≫

2.≪東洋の医学は無双原理の後ろ盾をもって、全ての病気を外科手術や対症医療なしで治す事ができる。その道は≪生命の神聖な芸術≫であり、宇宙の法則と調和して飲食することである。≫

(注1) 『黒と白』の912号からを参照のこと。
(注2) (注2)パリ、ヴラン社より

(注)本記事は、原文をそのまま訳しているため、一部読みづらい箇所がございます。ご了承ください。

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