【活動報告】8月のプチ勉強会「一物全体を考える」&整理活動
前回勉強会だけで終わってしまった反省から、まずは資料整理から開始。
図書館学のスペシャリストがお二人参加いただき、図書目録の制作のアドバイスをいただきなら、書籍の整理と写真の整理活動を行いました。
■資料室の資料を参照して「一物全体」を考える
後半は、差入れのスィーツを食べながらのプチ勉強会。
テーマは、「一物全体」でした。
「一物全体」は、石塚左玄が唱えた、一つの食品を丸ごと食べることで陰陽のバランスが保たれ、「白い米は粕である」と玄米を主食としてすすめた自然食論が、後に「一物全体」として食養の基本となりました。桜沢如一は、「身土不二論」とともに、「一物全体論」を、西洋栄養学の分析主義に対比して、東洋の全体主義のシンボルとして位置付け、西洋と東洋の「いのち」の捉え方の違いを説きました。
しかし、実際の文献には、あまり「一物全体」という言葉が出てきません。
今回は1942年に刊行された『新しき栄養学』の一節を参照して、「一物全体」を考えました。
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第二、一物全體を食べること
全體主義であります。葉だけ食べて根をすてたり、皮をはいだり、あくをぬいたり、すじをしてたりしない事です。大根でも米でもそれ全體として陰陽の調和を保ってゐるのです。陰陽がうまく取り合わされてゐるのです。だからなるべく手を加えないで、ただ熱、光、重さ、鹽、などの陽性を外から加えるだけに止めます。それは植物性ばかりをとって陰過剰になるのを調節するためであります。
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参加者のみなさんは、概ね環境のことも考えて、生活の中ではできるだけ野菜の皮をむかずに食べることを心掛けているとの意見が多くありました。また、穀物一粒で「いのち」と考えると、粉にした場合はできるだけ早く使うよう心掛けるとか、実際的にはどこまでを一物全体と考えるのか、例えば玉ねぎの皮やネギのひげ根を常時食べるのかなどの疑問、農薬を使っている野菜も一物全体で食べるべきかなどの疑問も出ました。
最後に加藤ゐくこ先生が、一物全体を単に食べ物だけで考えるのではなく、宇宙と一体となる生き方と捉えているとまとめてくれました。
今回も参加者のみなさんから素敵な手作りスィーツの差入れをたくさんいただきました。
ミニおむすび、フルーツゼリー、まんじゅう、淡雪寒天、酒かすクッキー、、コーヒー&穀物コーヒーゼリー、ずんだ餅、麦麹甘酒。
みなさん、凄すぎます!
※差し入れなくても、もちろん参加できますのであしからず(笑)
■次回の予定
次回は10月20日(日)に桜沢如一先生の誕生日(10/18)に合わせて活動を行いたいと思ってます。
詳細はまた告知致します。
レポート
桜沢如一資料室 高桑智雄