【活動報告】「第1回リモート桜沢如一資料室」を開催しました

今年3月から新型コロナウイルスの影響で活動休止を余儀なくされていましたが、緊急事態宣言が解除された後も、東京は陽性率が高く、地下の小部屋である資料室に人を集めることができないでいました。

そんな状況なので、普段遠方でなかなか資料室に来られない方のためにZOOMによるオンラインイベント「第1回リモート桜沢如一資料室」を9月22日に開催しました。

資料室としてははじめてのオンラインによる実験的なイベントでしたが、常連のボランティアメンバーを始め、北海道、沖縄、山梨、アメリカのカルフォルニア州やウィスコンシン州などから17名が集まり、まさにオンラインならではの交流ができました。

はじめに資料室の内観や展示物を移動カメラで紹介し、現在書籍の目録作りのプロジェクトを行うクッキングスクールリマ卒業生で図書館学の専門家である村井友子さんと桑山一美さんの活動紹介、そしてボランティアメンバーの紹介を行った後、今回はじめて参加してくれた方々のお話を聞きました。

ウィスコンシン州からはカルフォルニア州立大学サンディエゴ校で教鞭をとる人類学者で桜沢如一の思想を研究し、来日時には資料室に毎回調査に来るディラン・オブライエンさんが参加してくれました。オブライエンさんは、コロナ禍での自粛期間を利用して、桜沢先生の『未開人の精神と日本精神』(1943年)の英訳を試みているそうです。また、研究活動だけでなく、無双原理の素晴らしさを広める普及活動も行いたいと語ってくれました。

20年間カルフォルニアに住み、お子さんのアトピーをきっかけに15年来ご夫婦でマクロビオティックを実践する女性は、90歳になられた八木数子さん(桜沢先生のお弟子さんでアメリカに渡った八木順正さんのご婦人)との交流やカリフォルニアのマクロビオティック事情をお話してくれました。

沖縄の琉球大学哲学科3年生の女性は、卒論で桜沢如一の思想をテーマにしたいとネットで情報を探していたところ、このイベントを見つけて参加したそうです。単なる調べ研究ではなく、桜沢如一の無双原理や宇宙の秩序を理解した上で食だけでないマクロビオティックの神髄を論じたいという21歳とは思えない熱量に参加者みんなが歓声を上げました。

その他にも貴重な話題が飛び交った今回のオンラインイベント。
10月から再開予定のリアルイベントと並行して、今後も開催していきたいと思います。

 

■「世界政府新聞」の整理活動開始

またその日は、桜沢如一研究の第一人者でベトナムと日本のマクロビオティックの橋渡しに尽力する安藤泰弘さんが来館し、ご自身の研究と同時に「世界政府新聞」の整理活動をご担当いただけることになりました。

「世界政府新聞」は、「月刊マクロビオティック」の前身で、1949年4月から発行され1960年12月にA5判の月刊雑誌「新しき世界へ」になるまで、新聞形態で発行されたものです。いまや国会図書館にも数点しか所蔵されていない貴重な資料なのですが、劣化が激しく手を付けられないでいました。

当時の資料にとても詳しい専門家である安藤さんにご協力いただけるのは、とてもありがたいです。

次回は10月18日(日)に、桜沢如一生誕記念の活動を行います。
詳細の企画は決まりましたら告知致します。

レポート
桜沢如一資料室 高桑智雄

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